運動することで体重を減らす運動系ダイエットは、食餌系ダイエットに比べると体重の減少は緩やかですが、体内の代謝活動を活発にすることで生活習慣病を予防したり、筋肉をつけることによって基礎代謝を上げ、太りにくく整った体型を作ることができます。
メタボ解消を目指すなら、運動系ダイエットを毎日少しずつでも生活に取り入れたいものですね。
有酸素運動でメタボ解消
運動系ダイエットといっても、トレーニングジムなどで筋力トレーニングに励む本格的なものから、少し早足で散歩する程度のウォーキングまで、さまざまです。
特に「有酸素運動」と呼ばれる軽めの運動は、メタボの原因となる内臓脂肪燃焼をはじめとする健康促進に効果がありますので、仕事が忙しくてトレーニングジムに通う時間が取れなくても大丈夫です。エレベータを使わず階段を利用したり、会社帰りに一駅分だけでも歩いてみてはいかがでしょうか。
有酸素運動と無酸素運動
運動系ダイエットとして主に用いられるのは有酸素運動ですが、私たちが行う運動には有酸素運動の他に、無酸素運動というものもあります。
運動は、体内に取り込んだ酸素を使って、脂肪や糖質を燃やしてエネルギーを生み出す「有酸素運動」と、酸素を使わず筋肉内のグリコーゲン(糖質)やATP(アデノシン三リン酸)をエネルギー源とする「無酸素運動」に分けられます。
ダイエットでおなじみの、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどは有酸素運動と呼ばれ、筋力トレーニングや短距離走などは無酸素運動とされていますが、多くのスポーツは有酸素運動と無酸素運動の両方の要素を持っています。
比較的軽めで、長時間続けられる運動は有酸素運動ですが、運動が激しくなると徐々に無酸素運動の比重が高まり、ほぼ完全な無酸素運動の持続時間は8〜30秒と言われます。
有酸素運動は、脂肪の燃焼や血行促進といった健康効果が期待できるため、医療の現場でも運動療法として利用されています。一方の無酸素運動には、筋肉を鍛えることで基礎代謝が高まるというメリットがあります。
無酸素運動をすることで、たくさん食べても太りにくい体を作ることができるということですね。
有酸素運動によるメタボ解消効果
有酸素運動がもたらす健康促進効果のなかから、メタボ健診に関係するものをピックアップしてみました。
有酸素運動によって、メタボ健診でメタボリックシンドロームを診断するための検査項目の全てを改善できます。
| 有酸素運動の効果 | メタボ健診の検査項目 |
|---|---|
| 体内の脂肪代謝を改善、体脂肪を減少させる。 | 腹囲 |
| 平常時の血圧を低下させる。 | 血圧 |
| 血液中の中性脂肪を減少させる | 中性脂肪 |
| 血液中のHDLコレステロールを増加させる。 | HDLコレステロール |
| 血液中のLDLコレステロールを減少させる。 | LDLコレステロール |
| 体内の糖代謝を改善する。 | 空腹時血糖 ヘモグロビンbA1c |
メタボ解消以外にも、有酸素運動には心肺機能の改善、不安や抑うつ感の軽減などの健康促進効果があります。
有酸素運動のポイント
貴重な時間を割いて有酸素運動をするからには、できるだけ効率よく運動したいもの。
そこで、頭の片隅に置いておくと役に立つと思える有酸素運動のポイントをご紹介します。
早稲田大学スポーツ科学学術院の坂本静男教授によれば、有酸素運動によって糖質と脂肪が燃え出すまでにかかる時間は1分半〜2分。20分間運動し続けなくても脂肪は燃えますが、途中で何回も休憩しながら20分運動するよりは、20分継続した運動の方が、より多く脂肪が燃焼します。
有酸素運動のポイント1
2〜3分の有酸素運動でも脂肪は燃えるが、長時間休まずに運動すれば、より効率的に脂肪が燃焼する。
また、坂本教授が提唱する「最大脂質燃焼量」の検証では、様々な人を対象に運動負荷試験を行った結果、運動時に人間の脂肪が最も燃焼するのは、一般人で最大酸素摂取量(持久力をみるめやす)の50%、スポーツ選手でもせいぜいその60%位となりました。
この最大酸素摂取量の50〜60%に相当する運動量は、一般人ではウォーキング、スポーツ選手では軽いジョギングとなります。会話ができるぐらいの、「楽〜ややきつい」レベルの運動で、最も効率よく脂肪は燃えるそうです。
最大酸素摂取量は、スポーツジムなどに設置されているエアロバイクなどで測定することができますが、目標心拍数という値に5〜10拍プラスしても、最大脂質燃焼量時の心拍数を求めることが可能です。
例えば年齢50歳、安静時心拍数60の人は、運動時の心拍数が109〜114の時に、最も効率良く脂肪が燃焼します。
最大脂質燃焼量時の運動強度=目標心拍数+5〜10拍
目標心拍数=(最高心拍数*−安静時心拍数)×運動強度40%+安静時心拍数**
*最高心拍数=220ー年齢
**安静時心拍数は、朝目覚めて起き上がる前に測った1分間の心拍数
有酸素運動のポイント2
最も効率的に脂肪が燃焼するのは、会話ができるぐらいの“楽〜ややきつい”レベルの運動。息を切らせて運動しても脂肪はほとんど燃えない。
参考情報:
ターザン2007年9月12日号
早稲田大学研究者紹介Webマガジン-第12回坂本静男教授-
運動系ダイエットの種類
当サイト「メタボ健診とメタボ解消ダイエット」では、メタボ解消のオススメ運動系ダイエットとして、「踏み台昇降ダイエット」を紹介していますが、ここでは、岡田都司夫氏の著書「いつまでもデブと思うなよ」の分類を参考に、その他の運動系ダイエットをご紹介します。
運動系ダイエットは、器具を使用する・しない、1人で行う・専門家の指導を受ける、など、さまざまな種類がありますので、自分に合った運動系ダイエットを見つけることが、長続きのコツになります。
屋外有酸素運動
屋外有酸素運動は、ウォーキングやジョギングの他、駅や会社のエレベーター・エスカレーターを使わずに階段を上り下りするといった、日常生活での運動量を増やすことも含まれます。手間や時間はかかりますが、費用はかかりません。
ウォーキングや階段の上り下りといった軽めの運動を普段の生活に組み入れることは、健康維持のためには大切です。歩くことや走ることを楽しめない人がウォーキングなどを長続きさせるのは困難ですが、好きな音楽を聴いたりしながら、徐々に有酸素運動を習慣化させていくと良いでしょう。
屋内有酸素運動
ビリーズブートキャンプに代表される、室内でのエクササイズ・ダイエットです。ストレッチ、ヨガ、美容体操、エアロビクス、腹筋など、さまざまなトレーニングがあり、ウォーキングやジョギングに比べると、ハードな運動が多いのが特徴です。
屋内有酸素運動にかかる費用は参考書やDVDなど、さほど高額ではありません。所要時間などは自由に、自分のペースで続けることができますが、自分で決めたスケジュールを守れないと長続きさせることは困難です。
また、運動しているからといって食べ放題のまま、エクササイズを止めてしまうと、すぐにリバウンドしてしまいます。一生トレーニングをするつもりでなければ、何らかの摂取カロリー制限が必要です。
室内器具トレーニング
フィットネスマシンやダンベル、ローラー、スプリング、バランスボールなど、さまざまなトレーニング器具によるトレーニングで、カロリーを消費するダイエット法です。金銭的余裕がある人は、ランニングマシンやサイクリングマシン、ロデオボーイなど、次々に新しい器具を試してみると、飽きずに続けられるかもしれません。
器具を利用しますので、短時間の運動で効果が得られる場合もありますが、器具を使わない屋内有酸素運動と同様、自分で決めたスケジュールを守ってトレーニングを続けることができないと、長続きは難しいでしょう。
食餌系ダイエットを併用する必要があるのも屋内有酸素運動と同じです。
施設利用トレーニング
スポーツジムなどで、コーチの指導を受けながらダイエットする方法です。専門家がスケジュールを組んでくれますので、定期的に通いさえすれば確実に効果は上がります。
施設利用トレーニングの難点としては、料金が高額なことと、定期的にジムに通う時間を捻出する必要があること、トレーニングを止める際にカロリー摂取量をコントロール(食餌系ダイエット)する必要があることでしょう。