レコーディング・ダイエットは、作家・評論家の岡田斗司夫さんが提唱するダイエット法です。著書「いつまでもデブと思うなよ(いつデブ)」には、1年で117kgから67kgまでの減量に成功した岡田さんのダイエット方法論が展開されています。
レコーディング・ダイエットのメリット
レコーディング・ダイエットのメリットとしては、導入が簡単で長続きしやすいことと、毎日の食生活習慣まで改善するため、ダイエット終了後にリバウンドしにくいことが挙げられます。
この2つの特徴を持つレコーディング・ダイエットは、メタボ健診対応のダイエットとして、多忙な40代以上のサラリーマン・OL、あるいはメタボ・メタボ予備群の人にも勧められるダイエット法といえるでしょう。
レコーディングダイエットは導入が簡単で長続き
レコーディングダイエットは、とりあえず食べたものと時刻、体重を記録(レコーディング)するだけでOK、食事制限はレコーディングが軌道に乗ってから始めます。これなら仕事や育児で忙しい人、ビリーズブートキャンプやターボジャムなどハードな運動系ダイエットに挫折した人でも、長続きできそうですね。
レコーディングダイエットはリバウンドしにくい
レコーディングダイエットの最大のメリットは、体重を減らすだけではなく、食生活を含む生活習慣まで改善することで、ダイエットを終えた後も、リバウンドせずにダイエット終了時の体重を維持することが可能となっていること。
レコーディング・ダイエットの原型は、摂取カロリーの制限という、昔から存在していたダイエット法ですが、レコーディングダイエットは、自分が食べたものを記録することで、肥満につながるような行動を無意識に避けるようになり、自然に体重が減っていきます。
「苦しいダイエットを我慢すれば、いくらでも好きなものを食べられる」というのでは、ダイエット後のリバウンドが容易に想像できますが、レコーディングダイエットでは、最終的にはダイエットを止めてもリバウンドせずに、スリムな体型を維持することが可能です。
今でも好物は肉です。ただ、分量が減る。「おいしい」と思うところで食事を止められるようになったんですね。
新潮45別冊「このメモ帳でヤセる↓」より
レコーディング・ダイエットのプロセス
レコーディングダイエットの著者である岡田斗司夫さんは、太る理由を「満腹しても“もったいないから、全部食べてしまう”という生活を続けているうちに、満腹の感覚がずれてしまい、“気持ち悪くなるまで食べたら満腹”になっているから」と、説明しています。
この満腹の感覚のずれを直すだけで、実はもうリバウンドしないんですね。
新潮45別冊「このメモ帳でヤセる↓」より
最終的に満腹感のずれを修正するため、レコーディング・ダイエットは「助走→離陸→上昇→巡航→再加速→軌道到達」という段階を経て進行していきます。
助走
1番目の「助走」段階では、これまで自分がしてきた「太り続けるような食事・行動」をしっかり認識するために、毎日の食べたものと時刻、体重をノートに記録していきますが、「助走」では食事制限は行いません。我慢せずに普段通りに食べたいものを食べる、今まで通りの食生活を続けます。
岡田さんによれば、今まで目をそらしてきた「太り続けるような食事・行動」という現実を自覚することで、「これをやめるだけで、すごくやせられるかも?」「やめるのは無理でも、二日に一回にするだけで」といった、これからのダイエット計画を楽しむ気持ちが芽生えれば上等とのこと。食べ過ぎの自分の食事・生活パターンを充分に認識できれば「助走」は終了です。
離陸
2番目の「離陸」段階ではカロリーと体脂肪を記録します。「これをやめるだけで、○○カロリー減らせる」といったカロリー計算を行いますが、「離陸」では、まだ食事制限は行いません。
上昇
3段階目の「上昇」で、ようやく摂取カロリーを一定範囲内に制限します。すでに「離陸」段階でカロリー計算をしているので、どの食べ物を削れば目標カロリーに達するのか理解していますから、みるみるうちに体重が減り始めます。
巡航
4段階目の「巡航」は、無理なくカロリー制限を継続している状態ですが、ダイエットを始めて2ヶ月ほど経過すると、体重の減り方が鈍ったり、飢餓感や不安が襲ってきます。気持ちが落ち込んだ時、岡田さんは今までの体重変化のデータを見直すことで実績を再確認、感動を新たにし、ダイエットを続けられたといいます。
再加速
5段階目の「再加速」に入ると、意識しなくても摂取カロリーを目標値内に納めることができるようになり、体が発する「空腹」や「満腹」のサインが分かったり、食べ物の好みまで変わってきます。
岡田さんは渋々飲んでいた豆乳野菜ジュースが、おいしく感じられるようになり、頭だけの「欲望」で食べるのではなく、体からの「欲求」による食べ物を食べたくなったそうです。
軌道到達
レコーディング・ダイエットの最終段階「軌道到達」に至ると、ダイエット卒業です。食べたいものを必要なだけ食べ、欲しくなくなったら残せる状態です。体からのサインを聞きながら、自分とってベストの体形を維持していくことができるようになります。
レコーディング・ダイエットは最初が肝心
レコーディング・ダイエットは、自分がこれまで続けてきた「太り続けるような食事・行動」に気付き、「太る努力をしない」ことでリバウンドしない身体をつくっていくダイエット法です。
レコーディングダイエットで最も重要なのは、「助走」と名付けられたダイエットの初期段階で、自分の食生活と体重に正面から向き合うことです。
「助走」段階では、「太り続けるような食事・行動」をしっかり認識するために、口に入れたものと時刻、毎日の体重をノートに記録していきます。毎日の食生活を記録(レコーディング)する癖をつけられるかどうかが、レコーディングダイエットを成功させる鍵となります。
食生活を記録するという“ダイエット”をする代わり、「助走」での食事は普段通り、ダイエット前と全く変わらない食生活を継続させます。自分の食生活と向き合うためには、記録する習慣をつけるのが最優先です。レコーディング・ダイエットはあれこれ欲張ったダイエットではありません。
ダイエットを始めるまで「食べるのを我慢してまでやせる」など、とても考えられなかった「自称グルメ」の岡田さんは、記録をはじめた時も、痩せたいというより「なぜ私は太っているのか?という疑問の答を知りたかっただけ」だったと言います。
ところが、記録をつけてみると、岡田さんは一日中、殆ど絶え間なく食べ続けていたことに気がつきます。食べたいものを食べるどころか、メモをとっていなければ口に入れた瞬間に忘れてしまうような大量のジュースや菓子類、ジャンクフードを無意識に食べ続けていた実態が明らかになり、岡田さんは呆然としたそうです。
私自身が思い込んでいた「太っているけどグルメで優雅な食生活」という幻想はガラガラと崩れてしまった。
新潮新書「いつまでもデブと思うなよ」より
“瞬発力はあるが、継続力が無い”と自己評価していた岡田さんですが、食べたものを記録することによって、食べることに関してだけは「太るための努力」を熱心に継続していたことを思い知らされたそうです。
しかし、自分の食生活と正面から向き合ったことで、岡田さんの食生活に変化が起こりました。岡田さんの「助走」期間は5ヶ月でしたが、この間、岡田さんは全く食事制限をしなかったのに、体重が10kg減ったそうです。
いつも通り、食べ放題の食生活を送っていたはずなのに、体重が減った理由を、岡田さんは「無意識のうちに、太る行動を避けていた」ためだろうとしています。
「無意識のうちに、太る行動を避け」ることは、レコーディング・ダイエットの基本であり、目標でもあります。意識しないで太る行動を避ける=太らない食生活をすれば、ダイエットを終了してもリバウンドしません。
太る努力とは
ちなみに「太る努力」の一例として、デブタレ四天王の1人、松村邦洋さん(身長164cm)が“瞬間風速”141kgという体重を記録した時期の食生活をご紹介します。
松村さんの1日の食事メニュー(体重ピーク時)
- 朝食
- カレーライス大盛、サンドウィッチ、サラダ(喫茶店で)
- 昼食
- 弁当(唐揚げ弁当など)、豆腐サラダ
- 間食
- きつねうどん、ラーメン、水1〜2リットル
- 夕食
- 焼き魚定食、ご飯大盛り、冷や奴、イカの塩辛、トマトサラダ、納豆、卵焼き
- 深夜食
- 烏龍茶2〜4リットル、ホルモン炒め、グリーンサラダ、鶏の唐揚げ、焼き鳥、エノキバター、ごはん、ラーメン、牛肉のたたき
「朝から松屋っていうパターンもあります。まず牛丼に生姜焼き、海苔、キムチ、豚汁などを並べて気分はミニパーティです(笑)」
ターザン2007/7/11号より
松村さん本人は、普通の食事だと思っていたのでしょうが、太っていない人はもちろんのこと、相当な大デブの方でも、この食事を毎日続けるのは辛いと感じるでしょう。「こんなに無理して食べなくても・・・」といった感想を抱く人も多いでしょう。
大デブの食事は、中デブにとっては努力しないと食べられない。中デブの食事量は、小デブには多すぎる。太る努力は、“他人が見るとよくわかる”ものだと思います。
レコーディング・ダイエットの注意点
レコーディングダイエットは、メモ帳と体脂肪計の付いた体重計を用意すれば実行できますが、「助走」と「離陸」を経てから「上昇=カロリー制限」を開始することが重要です。「助走」と「離陸」を経ず、いきなり「上昇」しようとすると、単なるカロリー制限に過ぎなくなって失敗します。
岡田さんによれば、レコーディング・ダイエットでメモをとることは、「自分の無意識に対してお手紙を書いているみたいなもの」なので、食べたものを記録するのが面倒だからといって、写メールを撮って終わりにしたのでは、意味がないとのこと。写真を撮って記録したつもりになってしまっては、現実を直視することにはならないのですね。
また、ダイエット「上昇」開始以降、急激に減ったように見える岡田さんの体重ですが、実際はその時々の体重の5%前後の割合で減少しています。
レコーディング・ダイエットによる岡田斗司夫の体重推移
スタート・・・107.0キロ
30日目・・・99.9キロ(スタート時から6.6%減少)
60日目・・・94.7キロ(30日目から5.2%減少)
90日目・・・89.8キロ(60日目から5.2%減少)
120日目・・・85.5キロ(90日目から4.8%減少)
150日目・・・82.0キロ(120日目から4.0%減少)http://putikuri.way-nifty.com/blog/2006/11/91_2779.html
http://putikuri.way-nifty.com/blog/2006/12/post_0a42.html
http://putikuri.way-nifty.com/blog/2007/01/post_0b6e.html
http://putikuri.way-nifty.com/blog/2007/02/post_b35b.html
体重が減少する割合が1ヶ月あたり5%を超えると、体がリバウンドしやすくなるとされていますので、レコーディングダイエットに限らず、ダイエットを始める際には、1週間で○○kg痩せる!などという無理な目標を立てないことが大切です。
仮に体重が70kgの男性が60kgまでダイエットしようとするなら、少なくとも3ヶ月かけて体重を減らしたほうが良いでしょう。
とりあえず「いつデブ」を読んでから
岡田斗司夫著「いつまでもデブと思うなよ」がベストセラーとなり、レコーディングダイエットが雑誌やテレビなどで取りあげられるようになると、レコーディングダイエットを誤解する人も増えてきました。
岡田さんは「食事をメモして1500キロカロリーに抑えればいいのか」と早合点してダイエットを始めてしまう人が多いことを嘆いています。
『いつデブ』で、体に対して効く部分はカロリーコントロールなんですけれども、心に対して効く部分ですごく慎重に心理操作というか、決心するメソッドというのを本の中に入れているわけです。 〜中略〜
著者が言うのもなんですけど、一章からめんどうくさがらずにちゃんと読むと、読み終わったときには、「無性にダイエットしたくなっている」はずなんですね。この無性にダイエットしたくなっている力を使って始めると、いいスタートダッシュができるんです。
新潮45別冊「このメモ帳でヤセる↓」より
現在、新潮45別冊「このメモ帳でヤセる↓」という「いつまでもデブと思うなよ」の実践ガイドが出ていますので、最初に「このメモ帳でヤセる↓」から読むと、「いつデブ」の最初の二章も退屈せずに読めると思います。
「このメモ帳でヤセる↓」には、実際に1500キロカロリー以下に抑えた食事メニューの写真やインタビュー記事が豊富に掲載されていますので、レコーディング・ダイエットがどのようなダイエット法なのか、具体的にイメージしやすくなっています。さらに、レコーディングダイエット専用のメモ帳も付いているので、読み終わったらすぐにレコーディングダイエットを実践できます。